監督・脚本・編集
アレ・アブレウ | Alê Abreu
1971年3月6日、サンパウロ生まれ。13歳のときにサンパウロ市内にあるMuseum of Image and Sound(MiS)のアニメーション教室に通い始める。そこで彼は、ルネ・ラルー監督の『ファンタスティック・プラネット』や『時の支配者』、漫画家・脚本家メビウスの『ブルーベリー』シリーズといった作品に出会い、大きな影響を受けた。「彼らは私にアニメーションの別の面を見せてくれました。彼らのおかげで、私は自分の人生で何をしたいのか、もはや迷うことはありませんでした」と話している。
1990年代、アブレウは2本の短編アニメーションを制作し、イラストや広告など多くのプロジェクトに携わった後、初の長編映画『Garoto Cósmico(宇宙の少年)』を制作した。2008年にブラジルで公開された青少年向けのSF映画で、すべての生活がプログラムされた世界に住む子どもが主人公だ。
1960年代から1970年代のラテンアメリカの音楽とそのプロテストソングを使い、南米大陸の激動の歴史のさまざまな時代をたどるアニメーション・ドキュメンタリー「Canto Latino」の準備中だった2006年、アブレウは自分のノートを開き、映画『父を探して(原題:少年と世界)』のきっかけとなった「少年」のキャラクターのスケッチを見つけたという。この作品は一人の少年の目を通して描く南米大陸の歴史と冒険の物語で、2014年アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞クリスタル・アワード、2016年アニー賞長編インディペンデント作品賞を受賞し、彗星のごとく現れた新たな才能に世界が驚いた。2016年アカデミー賞長編アニメ賞に南米の長編アニメ作品として初ノミネートされた。
そのコントラストで描かれる情景は大きな試練と共に、
希望に満ちた始まりへと繋がっている。